4/13石巻遊楽館昼コンサートでお知らせしたとおり、春の帰国のふたつめのコンサートは東北に行ってきました!!
朝9時出発の国立駅から、JR中央線→JR武蔵野線→JR京浜東北線→やまびこ55号→JR東北本線
と乗り換えて、無事に時間通り昼過ぎに前谷地駅に到着。
私「間違えずに乗り換え出来た。私すごい」
夫「本当にすべて、どこでも、時間通りに発着するんだね。日本すごい」
うむうむとそれぞれ感心しつつ、外に出てみると、遊楽館の
Iさんが車で迎えに来て下さっていました。午前中遊楽館に電話したら、館長さんに
Iさんは風邪で午前中お休みと聞いていたので、わたしの最初の一声は
「大丈夫なのですか〜!」
すると、「今日を楽しみにしていましたから、大丈夫です、来ました」
とおっしゃって、私たちは既に感動。
遊楽館に着き、入ってみると…
オルガンはひろびろした遊楽館の「コンコース」の中心部に、据えてありました。
まわりは一面ガラス張りになっていて、事務所にあたる部分も、透き通って中が全部見えます。
事務所のうしろは「会議室」だと聞いて、思わず
「オルガンの練習中とか会議の声が聞こえなくなりませんか?」
と訊くと、
Iさんは
「オルガンの練習中は会議はやりません。練習が優先です。」
とおっしゃったので、私は耳を疑いました…
「信じられない!」
遊楽館には大ホールや図書館、スイミングプールなどがあるそうで、午後の3時頃になると、通り過ぎる子供たちのかわいい声も聞こえてきました。オルガンの音を市民のみなさんは普通に聴きながら、遊楽館を利用しているんだなあ、とわかりました。
夫は「早春賦」のテーマに合わせて即興するので、ストップを試したり、私もソロの曲を練習したあと、夫と一緒に弾く連弾の音決めと練習。
練習のあと外に出ると、200軒の仮設住宅が目に飛び込んできました。
ここ遊楽館は、津波のあと医療の必要な方の避難所として用いられ、全国のニュースで映像が流れた場所です。現在は通常の業務が行われています、と
Iさんはおっしゃったけれど、実際の文化予算はゼロに近いと聞いています。そんな中、オルガンのお昼の演奏会が復活した第1号を弾かせていただくのです。もとはといえば、パリからの義援金を
東北のオルガニスト(1)に書いたようにオルガニストの後藤香織さんにお渡ししたことが縁で、ここに呼んでいただいたのですが、当日彼女はいらっしゃらないので、ここでひとこと、
「応援してますよ〜!!!これからも頑張って下さいね〜!!!」
さて練習のあと、また
Iさんにこんどは前谷地より仙台寄りの駅まで送っていただき、そこから電車で仙台へ。
ふたりとも急激におなかがすいてしまったので、昨年仙台に来たことがあった私は(そのときのことは
東北のオルガニスト(2)と
東北のオルガニスト(3)に書きました)夫に「大きい駅ビルの中に入って、何か食べようよ!」と提案。
夜景の美しい韓国のカフェで、おやつに「ちぢみ」を食べました(仙台名物ではないか…)。
そのあと高校時代の友人が駅に迎えに来てくれて、ひさびさの再会!
彼女は結婚して仙台でピアノの先生をしています。でも、高校時代は陸上部だったのです。考えたら、今回、陸上部つながり、多い。
でも当時から彼女は音楽が好きで、お母様もピアノの先生で、「ももちゃんプロコフィエフ聴きなよ。いいよ。」と教えてくれたのでした。プロコのピアノ協奏曲3番は、あのころからまだずっと聴いています。本当に、そのころのままの彼女と、その家族と、たのしいたのしい夕餉をいただきました。旦那様は国語の先生で、博学で熱血漢な方!子供たちふたりも賢くて可愛い。なんだか、友人Mちゃんが4人になった!みたいな幸せを感じて、不思議な時間でした。お刺身、天ぷら、茶碗蒸し、牛タン…「大ごちそう」でした。震災の話をしたあと、遅くまで音楽の話が尽きませんでした。
明くる日、Mちゃん一家と2台の車で石巻まで行き、演奏会にも出席してくれたので、私たちはもう電車の時間などを心配する事なく、まるで「遠足」のようにわくわくと楽しい時間を過ごしました。
わくわくといえば、演奏会でみなさんに差し上げたくて何枚かのCDなどのおみやげを持って行ったのですが、実際欲しい人が多かったらどうするのだ?という点をあまりよく考えていませんでした。
すると、なんと
Iさんが、
「んー、じゃあ、じゃんけん大会にしましょう。」
と、ごく普通に言ったので、
「じゃんけんですか!おとなもやりますかね?」
と答えてしまった私!
やりますかねどころではない、演奏会後には、みなさん腕まくりして、じゃんけん大会に!
Iさんの仕切りで、おみやげは全て受け取っていただけたのでした!
思いつきもしませんでした、じゃんけん。
面白いなあ!
演奏会とじゃんけん大会が無事に終了し、具合が悪いのに2日間すっかりお世話になった
Iさんと名残惜しくお別れしたあと、夫のわがままで、Mちゃん一家と共に
勝浦オルガン工房にお邪魔しました。勝浦さんは遊楽館のオルガンを作られたご本人なのです。
修復中のストリートオルガンの説明をしていただき、Mちゃんの息子さんも弾いてみる。
「リズムを一定にするのが難しいですね!」
勝浦ご夫妻、どうもありがとうございました!アポイントもなくおしかけてすみませんでした!素敵なオルガンを弾かせていただいて嬉しかったです。これからも応援しています!
そのあと昼食を食べに、松島へ連れていってもらいました。海が間近に迫り、迫力満点の景勝の地でした。海を見ているとどうしても津波を思い出してしまいます。こんな海の真横に暮らしがあるのだ…。
田里津庵ではひつまぶし御膳をいただきました。
その日の日記には
「あなごごはん、あなごとたけのことふきのとうの天ぷら、まながつおの焼き物、たけのことうるいの木の芽和え、たけのこ醤油焼き、自家製豆腐、果物ゼリー」
とわざわざ書き写してあるところをみると、よほど美味しかったのでしょう(美味でした)!!
Mちゃん家族にも本当にお世話になりました!
また、きっと会いましょうね!
また、東北に必ず行きます。
素晴らしい17回目の結婚記念日でした。
結婚記念日とご存知だったのかどうか、
Iさんはこんなお土産もそっと手渡してくださったのでした。大切にベルギーに持って帰りました。
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