おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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モーツァルトのコンサートin Brussels

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レオポルド・モーツァルトはヴァイオリンの教本で知られています。現在でもオリジナル・ヴァージョン(仏語の手稿譜)が入手できるということは今でも需要があるということで、ヴァイオリニストの友達で娘のヴァイオリンの先生、アントワン・メゾンオート氏によると「基本中の基本。いつでもひもといて調べるべき教本」ということ。それも古楽器としてのヴァイオリンではなく、普通のモダン式のヴァイオリンで使うのだから、「ヴァイオリン演奏の現在」に向かって、バロックの基礎を集大成したようなものなのかな、と門外漢の私は理解しています。

細部もすみずみまで整えて演奏するという気構えが、内容からは伺えるのですが、

「この人が自分のパパだったら、…どうなの?」

という発想のもとに、

「う〜ん、パパ、なんて言ったらいいかしら Ah, vous direz-je Papa

と題して、モーツァルト一家の音楽旅行についてのナレーション付き、家族向けコンサートが来週の日曜日にブリュッセルであります。

地下鉄モンゴメリー駅近くの、聖パウルスというドイツ人教会の子供合唱団を中心に企画したものですが、数年前にバロックアンサンブルと一緒にチェンバロを弾いたご縁で企画に参加し、今度はピアノフォルテを弾かせてもらうことに。

昨年、ここでのファミリーコンサート第1弾は「アンナ・マグダレーナ・バッハの練習帳」を巡る、バッハ一家の物語、というでチェンバロ中心だったらしいので、こんどは時代もロココ・古典なので、楽器を変えてみよう、ということになったのです。

ドイツ人の親子連れがほとんどを占めることになるので、ナレーションも全てドイツ語…私は仏語で会話させてもらっていますが、喋れたらいいのになあ、と憧れます。

最初にロココという時代背景のナレーションがあったあと、オルガンでモーツァルト(アマデウス)の時計のためのアンダンテKV616。教会のオルガンで「触り」だけ弾きます。そのあとまたナレーションがあって、ヴァイオリンのアントワンが羽ペンを持って登場し、レオポルドのように作曲(の振り)。実際には、彼は現代ものを中心に演奏するカルテットの第1ヴァイオリンをやっているので、ふだんの譜面はすべてiPad。かつらこそかぶりませんが、ギャップを楽しめそうです…。

それから演奏会の「もじり題名」の出典になった、”Ah, vous direz-je Maman”のヴァリエーションKV264をピアノと合唱で。
これは、フォルテピアノで弾くと楽し〜〜〜いい!です058.gif
(「きらきら星変奏曲」です)

そして合唱とオルガンのあと、ヴァイオリン・ソナタホ短調KV304。全2楽章の小さな作品ですが、

「ああ、そういえば耳にしたことがある…」

と思う人も多いと思われる、有名な曲。
第2楽章はメニュエットなのですが、ロココ時代のメニュエットってどういう速さかな?バロックより遅くロマンティックより速いかな?などといろいろやっているとリハーサルの時間はあっという間に過ぎてしまいました(けんかの種にもなるんだなこういうのが一番…)。アントワンとモーツァルトを弾くのは初めてなので、レオポルドの教本をひもときつつ「トリルは上の音から?」などの話から、こまかく練習しました。

最後にはレオポルド作といわれてきた、「おもちゃ交響曲」の第1楽章。
わたしのピアノ生徒のこどもたちにも「おもちゃ打楽器」で登場してもらうことになっています。

(トライアングルは三角なので、写真で見るとフリーメイソンみたいですが…)

音楽部分はいろいろ楽しいものを用意しましたが、ナレーションの中で、当時の劣悪な旅の環境のことに言及したり、
「諸侯は可愛い髪飾りやお菓子こそ競ってプレゼントしたがったが、なかなか金銭を支払ってはくれず、子供ふたりと父の生活は困窮した…」
とか、
「一日に4つものサロンを回って演奏会をする日もあったが、幼いアマデウスはコンサートの途中にこっそりいなくなって、子供部屋でゆり木馬に乗っていた」
などの話を聞くと、モーツァルト家に生まれたことは幸運だったのか不運だったのか…と心が痛んでしまうのでした。

私たち演奏するオトナも、タイムマシーンに乗って新鮮な目で譜面を見直すことができる、こんな機会は貴重です。子供たちのためにこうしたコンサートを熱心に企画する人たちがいる環境に、感謝したい。

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ブリュッセルにいらっしゃる方、ご家族ご一緒の方、よろしかったら聴きにいらして下さいね!
小さな教会ですがまだ少し席があります。

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by momoyokokubu | 2013-05-28 21:15 | Concerts