おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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家鍵の謎

月曜日のランチタイムオルガンリサイタル、Lundi d'Orgueを弾いてくれたのが日本からの友人だったので、かなりじっくり話したり食事したり一緒に過ごせて、演奏会もとても良い演奏で楽しい思い出になり、昨夜ホテルのそばでお別れしたあと、自宅に戻ったのが夜9時過ぎ。家の前で、かばんを見たら、鍵が入っていませんでした。

鍵一式がないために、乗っている自転車も止められず(鍵はチェーン式なので)、立ったまま仕方なく仕事の電話を2件かけても15分ぐらいしか時間をつぶせず。

練習中の夫はじゃまできないし…
娘はまた音楽の講習会に行っちゃって電車で2時間の遠くにいるし…

と、思っていたら隣の猫が来た056.gif

灰色の子猫で、なかなかおしゃべりな子なので、5分ぐらい会話したが(ほんとか?)、その家の飼い主(新しい人なので知り合いではない)がゴミ出しに来て猫ごと帰って行ったので、しかたなく私は放浪の旅に出た(自分の方が猫のようだ…)。

いつも練習に行く教会の、となりにある「シャフ」カフェは元気な人たちがいっぱいいて(漢字変換で「車夫」と出た)、音響レベルが破壊的だけれど、おいしいし、テーブルが道にはみ出していて自転車をすぐそばにとめられるのでそこでひまをつぶすことにしました。

その前に、キャッシュ・ティルでお金をおろしているとき、最強な叫び声をあげている乳母車を押す若い女性とすれちがった。その声は「ママーン!ママーン!」とおなかの底から絶叫していたので、

「ママがきっと夜のフェスティバル(注:現在、ブリュッセル・サマー・フェスティバル、中央駅周辺の路上で絶賛開催中。車で来る方は中心地は絶対回避!)か何かにおでかけに行ったので、ベビー・シッターの女の子が仕方なく寝ない子を散歩させているのだろう」

などと勝手に想像しつつ、「車夫カフェ」(ちがうけど)に腰を下ろしてそこにあった新聞を見ていると、さっきの子守り少女が乳母車ごとこちらに近づいて来る!叫び声は収まっているので、どうも眠ったらしい。

「いいのかな?赤ちゃんをこんなうるさいカフェに連れて来てさあ。私がママだったら怒る」

とか勝手に思っていたら、となりにいて談笑していたグループの男性のひとりが、その若い女の人(子守り少女に非ず)の夫で("Coucou chérie,")、彼女はただ自分の赤ん坊を乳母車に乗せて夜のカフェにみんなに会いに来た、かあちゃん本人だったということが判明。パパはいとおしそうに寝顔を覗き込んだあと、ガンガン鳴るロックに合わせて乳母車を揺らす。

哀れな赤ちゃん問題も解決したので(いや、こんな騒音の中、乳母車ですやすや眠るこの赤ちゃん、いいのか…?)、ハーブティーをものすごく背が高くてひょろひょろで感じいいギャルソンに頼んだあと、腰を入れて新聞を読んで時間をつぶそうと思って良く見たら、

最初から最後まで全てスポーツ記事の新聞だった…。

サッカー、競馬、自転車…

これを仏語で読めっていわれても意味が分からんわ!

そうしたら最後から2ページ目に、「世界陸上」の記事が!

意味の分かるスポーツがひとつだけでもあって良かった…。
「ヘプタスロン(7種競技?)」ジュニア・チャンピオンの若いベルギー人女性がシニア・デビューした記事を熟読していたら、心は自分の娘の方に向かってしまった。

数日間一緒に過ごした日本からの友人オルガニスト、「もこちゃん」は、私のいない日に娘と一緒に過ごしてくれたのですが、その時、彼女に娘はある決心をはっきりと述べていたのです。親には言えないらしいその決心を聞いて、夫とわたしはびっくり。

「まだまだ甘えていて何も考えていない…」

と思っていた私の方が甘かった。

「車夫カフェ」のロックビートに揺られる乳母車に、オルガンのがんがん鳴る教会で乳母車に乗ったまま眠っていた小さい娘を重ね合わせ、

未熟だった私の母親業も、いつのまにかもう終焉にちかいんだ

ということが急に腑に落ちたのでした。

ぽとん。

という感じで、

おなかの中に、ことばが落ちました。


最近考えるようになっていたのですが、書きたいと思いつつまだ書けていない、「4月の日本滞在日記」を書いたら、8月いっぱいで3年間書いて来たこの「おるがにすとクロニクル」を閉じようと思います。

ドメイン料金を支払いつつまだ何も書けていない新しい「メロフォーン・ホームページ」制作の方がやっと動き出したので、そちらで新しいブログ的なものを書くことにしたいです。娘のことも、わたし自身が「娘は自分に属するもの(だからプライベートなことも書いちゃう!的な)」と感じなくなるまで少しの間書かないで置くのが良いような気がするのでした。


家鍵を持たずに外に出て、自由に迷走する自分


が楽しくもあった夏の宵。
周期的に、タイムリーに無くなる、家鍵の謎…。



(そして夜11時に夫にレスキューされたのであった)











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by momoyokokubu | 2013-08-14 00:22 | ひとりごと