おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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カテゴリ:鍵盤楽器( 105 )

浮かれてない | Not so light hearted

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ミラノでの録音が終わり、その週の終わりには時計を1時間遅らせる冬時間になり、
秋休みが1週間ありました。

ベルギーで秋が深まったとき感じる事はいつも同じ。

「何をすればいいの!まだクリスマスの準備するのには早いけど、もう冬が来る!」

そういうはやる気持ちが心に渦巻くのは、都市に住んでいると、冬ごもりの準備とかしなくてもいいから何かしたくても出来ない〜、という矛盾があるせいかもしれない。

と、今年なんとなく気づきました。

セントラルヒーティングだから薪を蓄える事もできないし…
食料を貯蓄しようと思っても地下の物置に行くのと近所のスーパーに行くのと手間は変わらないから無駄だし…

だからこの気分をなんとかするために今年は思い切って台所の壁のペンキを塗り替えました。

でももとはといえば、ミラノでの録音のせいなんです。

桶屋が儲かる話じゃないけれど、

1。録音中にはごはんの時間がずれることもあり、ミラノではホテルではなくてアパートホテルを借りた。
2。そうしたらそこにエスプレッソ・マシンがあった。
3。そのコーヒーはイタリアンでとってもおいしかった。アパートに香りが充満して素敵だった。
4。数日そこで暮らしただけなのに、うちに帰って来たらそのマシンがないのでさびしかった。
5。旅行で物入りだったばかりなんだけど「ものごとには起承転結が必要だ」ということになり(?)同じマシンをブリュッセルの電化製品店で買って来た。
6。ぴっかぴかのマシンがうちのいつものふつーの台所に置かれている様子はわびしかった。
7。台所も片付けたくなって結局、壁の色も変えようということになった。


録音が終わって結構手が疲れていたのですが
その手にローラーを持ち替えてペンキを3度塗りして
いろいろごしごしこすって汚れをおとして
窓もきれいにみがいて


なんだかんだやっているうちに、

あの、「秋のリス」のような焦燥感が収まっていました。

でも、もっと深く突き詰めてみれば、
イタリア語が出来ないのにイタリアに行って録音したので、いろいろな事件が起こってもうまく解決できなかったこともあり、(予感はしていたが…)せっかくの大イベントだったのにぜんぜん浮かれた気分になれなかった。

写真もちょっとしかないし、(なにしろ大事な良いカメラを最終日前日に盗まれてしまったのだ)
録音はまだ聴いていないし、(すぐ聴くと否定的になることもありひと月ぐらい寝かせているのです)

若い時は何かが終わると、一種の音楽的な自己嫌悪は残るものの、
「終わった〜嬉しい!」
という開放感がまああった気がするのですが、

最近では
「じっと我慢ね。今はぜんぜん意味が分からないけど」
というイベントが多い事よのう。
(全体にうまくいったのかどうか、どういう意味のある出会いだったのか、などが気になりすぎて、自分が燃焼したかどうかはあまり関係ないというか)

それを、壁のペンキ塗りで発散し、
おいしいエスプレッソで「楽しかった思いで」に変えて起承転結をはかる。

計算高いリスになったものです。











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by momoyokokubu | 2011-11-12 16:39 | 鍵盤楽器

ミラノ | Milano

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オルガンの練習は教会が閉まっている昼休みの間と夜間。
でも土曜日の夜は合唱の練習があるそうなので、練習はなし。
お陰でオルガン演奏台以外のものを夕方から見ることができた。

No rehearsals Saturday evening, so I went off to see rest of the town, as all I have seen was the organ console in the church, so far.

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スカラ座広場。
レオナルド・ダ・ヴィンチの頭の上も
その周りの方々も
みんな鳩の「止まり木」がわりになってしまっているようだ。

The Scala theatre place.
The head of the great Leonard, as well as the heads around it serve as pigeons' seats...

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そこに咲いていたバラ!
もう10月も終わりなのに!
The roses, but it's nearly the end of October!

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ブリュッセルを彷彿とさせられるギャラリーを通りドゥオモ広場からの大通りは
「ここはピカディリー・サーカスか?!」
と思うぐらいの人の波。

I could have believed that I was at the Piacadilly Circus - so many people once I was in the Duomo place and further in the shopping streets.

その中を「コピー屋さん」を探しながら歩く私。
当然見つからないのですが、

文房具店を発見、店のマダムが仏語が出来そうな顔?をしていたのでやっと訊いてコピー屋さんの住所がわかった。

でも、一軒目では「楽譜?音楽のコピーはできないのここは!」と言われる。

えええっ?
そんなの初めて聞いた!!!!

ニ軒目は土曜日は休みだった015.gif

I was lookong for a copy shop.
But I found none.

Finally I was in the paper shop and a woman who had "an air of French speaking" could indicate me two.

In the first shop, they told me
- we don't photocopy music.

??????

Never heard that before!
And in the second, ... it was closed on Saturdays...


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by momoyokokubu | 2011-10-23 04:17 | 鍵盤楽器

近況と「クラブ会報」のお知らせ


ブルーベルの森サイトでは、「国分桃代トリオソナタクラブ」が8月から立ち上げられ、毎月16日にバッハのトリオ・ソナタ6曲を含む6枚のCD録音プロジェクトに関連した「クラブ会報」を読んでいただけるようになっています。

8月第1号:東京松本音楽記念館での演奏会を振り返って
9月第2号:ブリュッセル大聖堂での演奏会を振り返って
10月第3号:ロッテルダム、ホーフラーン教会での演奏会を振り返って

と、3号続けて「振り返って」の記、になってしまいましたが、ここで一応ハ短調の演奏会が終了し、なんとあさってから(うそ?もう?)ニ短調の録音に行ってきます。

第4号はミラノ、聖シンプリチャーノ教会での録音を「振り返って」、になるのかどうか(大失敗で手ぶらで帰って来たとか)、どちらにしても11月16日にはアップする予定なので、CDの行方が気になる方、バッハのトリオ・ソナタとは何か?疑問のある方、バッハのトリオ・ソナタを弾きたい!という方(そのうちに演奏法についてなど触れたいと思っています)、みなさん(もちろん無料です)こちらからクラブ会員に登録をどうぞ〜。



次なる「バッハとニ短調」で、CDに入ることになる曲目は何か?!

「それが早く知りたい!」

と思ってくださっている方、

「大丈夫なのかな!?」

と心配して下さる方。



しかしながら録音前の気持ちを何と表現したら良いか021.gif

「聞かないでおねがいわたしにもわからないヨ〜」




……

zzzzz014.gif(ごまかして寝ないように)



と、いうことで、いつものように、とうていCD1枚に入りきらない量の、山のような楽譜を抱えてあれもこれも、と全部やたらに練習している状況ではとてもブログを書く気持ちにはなれませんでした。楽しい曲が山のようにあるんだなニ短調!



しかし今日なんとかブログを書けたという事は。
ほぼ気持ちが固まったということでしょうなあ。

(でなかったら困るから固まりつつあるのか)

でもでも、も〜早くミラノに行きたい!
そのオルガンに行かないと最終決定出来ないよ〜

と、いう感じの、二日前でした007.gif

い、行ってきま〜す071.gif



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by momoyokokubu | 2011-10-20 02:34 | 鍵盤楽器

ストラスブルグ大聖堂 | Strasbourg Cathedral

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フラッシュバック・6月24日。

ストラスブルグで夏至の夜に行われた「光の夜」祭り。

「光」に関係あるイベントを募り、町の中にある無数の教会をそれぞれ選んで、市民が自主的に開催する形を取っているらしい。

「バッハとハ短調」のCDの写真を撮ってくれたMさんが、

「『光』をテーマにした写真がたくさんたまったから、スライドショーをしたいんだけど、その間、オルガンで即興しない?」

と言うので、

「一度登ってみたかったストラスブルグの大聖堂なら、行く!」

と乗ったものが、数ヶ月に渡るメール交換・スカイプ会議の末に実現したのだ。

行くのに4時間半かかることを除けば、カトリックとプロテスタントが面白いぐらい同量に共存しているこの街は、空気も自由でいつでも遊びに行きたい所。この夜も100に近い(を超える?)無料イベントがそれこそ町中で行われて、そぞろ歩く人々はネオンを発するプラスチックの輪っかを手に、好きなだけ好きなものを観ては次に移っていたようです。

わたしたちの「出し物」は、『スライド即興』なので、聖堂内の8メートルx4メートルのスクリーンに投射されているスライドショーより3秒早くラップトップに写るようにした写真の一枚一枚が楽譜の代わり。

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一応物語があって、夫と交代で章ごとに即興して行く。

ストップを変えたり首を延ばして下のスクリーンをたまにチェックしたり弾いてない人がコンピューターを操作したり…

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オルガン台がコックピットのようでした。
弾いている間もちょっと空を飛んでるような感じでした。
普段は(怖いから)下なんかのぞかないものね。

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怖いと言えば、作品を「読んで弾く」事ばかり小さい頃からやっていると、即興は怖くて、人前でしたくないものになっていたけれど、教会で必要に迫られてやったり、ほかのひとの即興を随分聴いて行くと、結局「その人」がにじみ出た即興が心に迫るんだな、とわかるようになる。

シンプルな即興でも、複雑でカッコいいけど堂々巡りなものより、音楽がそれなりにちゃんと前に進む、その人の考えや思いが伝わってくる、流れのある物が、時間を生き生きとしたものに変えてくれる…と思う。

自分以上の大きさに見せられないのがわたしにとっての即興かな。
だから美しく見せたり上手に見せたりしなくていいから…
逆に言えば「こんなものを?」と思っても大丈夫だから…
と、まあ、思いながら、

「さ。怖くないから。弾きますよ。」

と、最初の音を踏み出すのでした。

夜中に終わったら、広場では小さいろうそくを弧状に並べて、ルネサンス音楽を演っていた。
ダンサーが何人かいて、みんなに振り付けていた。
真っ暗なのでみんなわけのわからないダンスになっているようだったけどすごく楽しそうだった。

ダンスの足一歩踏み出すのも、即興が怖かったらできないな〜、そう思ったら
毎日の生活って結局自分たちに全て委ねられていて、何もかもが即興なのかもしれないなと暗闇の中で感じた、旅先での夏至の夜。

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by momoyokokubu | 2011-10-11 19:19 | 鍵盤楽器

芸術の秋! | Artistic autumn!

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日本からベルギーへもどったあと、

弾いて弾いて弾きまくっていたら

8月も9月も過ぎ去っていて

ブログに書きそこなった「ネタ」の数々が脳裏に蘇るばかり。

これはもうFallフォールじゃなくて Foolフールな秋だねと家族と言っていたら

本日、家の鍵を扉の内側に差し込んだまま外に出てしまって、扉ががちゃんと閉まってしまった。
外から鍵が入らなくなって、また外には取っ手の付いてないタイプのドアなのでまったくびくとも開かなくなり、家族揃って路頭に迷った(?)。

3時間ぐらいなんだかんだ手を尽くし、いろいろな人の協力があってやっとドアはこじあけられたけれど(一部破壊)、

この、「うちに入れない」事件が起こると(1年半に1回ぐらいやります)

あんた音楽バカもいいかげんにしなさいと心のなかから声が湧いてくる。


湧いてくるのではあるが、

折しもスティ−ブ・ジョブス氏の5年ほど前の講演の内容を読んでいたら

"Stay hungry, stay foolish."

というフレーズがあった。

まあこう言われると、「ドアぐらいなんだ。そうだ、音楽バカのまま行くしかない。」

とあおられてしまうのであった。

それもこれも芸術の秋だから多めにみましょう、と久々のブログを締めくくろうかと思ったけれど

…腹減らしてなさい。のとこは食欲の秋よね。と独自に解釈し(曲解ともいう)、

突如思いは飛んで、ベルギー道ばた名物「焼きぐり屋さん」の出現が心待ちにされるのであった。



ずっとブログを更新出来ずごめんなさい。
わたしもさみしかったです。

ただ頭がどっかにいってしまって散文的な生活を送っていました(どういう生活だ)。

もうすぐ「バッハとニ短調」の録音が始まります。
楽しいことがたくさんありそうな10月なので、またおつきあいよろしくお願いします001.gif

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Having returned from Japan,
days just passed between notes and notes played
August and September disappeared to where I will never know.

All I could have written in the blog just went as well...

It was the beginning of more Fool than Fall,
but recently I read one of the conference notes by Steve Jobs,
and found his phrase: Stay hungry, stay foolish.

That encourages my attitude of being too music-fool,
although being shut out of my own home because of the key left in the inside door hole,
shold not be repeated too often... (that happened yesterday. after an effort of three hours my husband opened the door)

October announces with loads of fun prospects,
now I am returned to the blog I hope to be regular...

And recording of "Bach in d-moll" in two weeks!

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by momoyokokubu | 2011-10-08 08:39 | 鍵盤楽器

ロッテルダムで演奏会のお知らせ | Concert in Rotterdam

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Hoflaankerkというところで演奏会があります。
今週の金曜日です。

斬新なポスターが届いたのでお知らせします!
ここの教会のサイトもカラフルで素敵です。

「バッハとハ短調」プログラムは、東京、ブリュッセルに続いてこれで三回目。そしてこれで終わりです007.gif

でもすぐに「バッハとニ短調」に取りかかります018.gifそれもまたよし。という気分の中秋の名月…

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There will be an organ recital on this Friday in Rotterdam.
They have sent me a nice poster!

Their site is also full of colours.

This is going to be my last concert of " Bach in c-moll" 007.gif
But the next project of "Bach in d-moll" will come soon after018.gif

Why not, said to myself, under the full moon of "chu-shu (mid autumn) " yesterday...



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by momoyokokubu | 2011-09-13 18:48 | 鍵盤楽器

絵日記15&16日目 | the 15th & 16th day

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7月13日(水)
晴天。

朝6時半に早起きして、前日書いたプログラムノートの英語版を書く。
今回はチケットが全て前売りなので、お客様の「顔」がほとんど見えるため、ベルギー大使夫妻のみが外国の方ということで、仏語、蘭語は今回はパス。ぎりぎりになってしまってどうしようと思ったが、なんとか書いて提出。

昼から娘の願いを成就させるべく「銀座」へ。
これは彼女にとっては「ただの町の名前」ではない。
東京に住んでいた頃、わたしがイメージしていた「パリ」という言葉の響きに近いかもしれない。

暑い中また電車乗って行くのね〜と心の準備をしていたら、上の弟K君が
「仕事場近いから車で行ってあげよう」
と言う。
「って、どこに停めんの!」
と訊けば、まあパーキングはいろいろあるようだ。
4人で行った電車代と思えば駐車料金も同じようなものだ。ということで午後、出発。

初めタンクトップにショートパンツ姿で行こうとしていた娘に、

「銀座だよ。みんなおしゃれしていくんだから、そんな格好じゃ恥ずかしいかもしれないよ。」

というアドヴァイスをしたのは、なんと75歳の父。(そういうこと普通は興味ない人だと思っていたが)

娘にはそのままでも彼女なりに「カッコいい」スタイルだったのかもしれないけれど、「もっとシックな格好して行って欲しいなあ。」というおじいちゃんの声を聞き入れ、黒に水玉のミニワンピに着替えた。

実は帰国して数日後に、猫が彼女のビンテージ風コンヴァースのバスケットシューズに「テリトリーのしるし」をつけてしまい、片方だけ洗って玄関先に干してあったのを、「ぼろぼろでごみなんだろう」と思った「なにものかによって」、いつのまにか「処分されてしまっていた」という事件に於いて、「こういうわざとぼろっちく加工してある最近のスタイルというのは、ピカピカより格好いいという論理のもとに、高価なものである場合が多いらしいが、しかしよくわからん」という新旧の感覚のせめぎ合いが勃発していたので、ここで「銀座はシックなので気をつけるように」という目上からの注意を娘が受け入れて着替えたのはわたしからすれば面白いなあという感慨に尽きる。別にそんなおしゃれしなくてもいいっかあ。と生ぬるかった私は、じいちゃんと孫の味わい深いやり取りの前に、完全に他者となっていた。

なにはともあれ準備して出発、銀座6丁目(?)に駐車し、地図を調べて、角に立つ黒いビルを発見。「あっ!あったよ!」と私が騒ぎ、娘を見ると、完全に緊張して固まっている。ほかにもいろいろあるようだが、特に、夢にも見た「アバー・クロンビー・アンド・フィッチ」銀座支店がそこにそびえ立っていた。(ベルギーには無いのだ)

家を出る時に、「あの、バスケットシューズの件もあるからさ、おじいちゃんおばあちゃんからも出すから何か買ってあげてね。」と留守番の父に耳打ちされていた私。このお店は自分たちには高級過ぎるから、と普段娘には言っているのだけれど、ここまで来ちゃったら「ウインドーショッピング」だけで出て来られるか自信ないわ。と思いつつ中に入った。でもお高価なお洋服に出資するのはどうもなじめない。

うわさ通り、上半身「筋肉をまとっただけ」の男性と記念写真用ポラロイド係の女性が出迎えてくれる入り口のホールをツカツカと早足で横切る娘の姿は、幼い頃ディズニーランドに入ったとたん、どんどんどんどん前のめりに進んで行くので着いて行けないぐらいだった時のことを思い出させた。

しかし女性の服が8階から11階という構造になっているのを知らず、階段を登りつづけるも、あたりは真っ暗、音楽はがんがん、香水はぷんぷん、売り子さんたちはみんなディスコみたいに踊っている。これは一体どうやってお買い物をするのであろうか。

と、途方に暮れつつ、なんとか女性パーカー売り場を発見。
洋服屋というよりは美術館の照明なので、なにもかも幻想的に美しく見える。

カタログで前もって娘が見たいと思っていたパーカーが3枚あり、「見ると実際イメージが違うものだね」などといいながら試着させてもらったりしていると、入り口で見た気がするお姉さんが、暗闇から現れ、娘をスカウトしようと声をかけてきたので、全員びっくりして声を失った。

「お洋服も素敵で、お店のイメージにぴったりのお嬢さんです!」

とのことばは、自分に全く自信のない娘の思春期の人生に於いて、励ましに満ちたことばとしてこれからも心に刻み付けられてゆくことであろう。この事件のお陰で、おじいちゃんが「シックな格好をしていくように」と言ったアドバイスが貴重だったことが明らかになったので、「モード見解」に葛藤を来した、我が家のバッシュ事件はここに大団円を迎えたのであった。

年が全く足りないのでもちろんモデルさんにも売り子さんにもなれなかったのだが、このとき私がとっさに思ったのは「もしかしてこのパーカー、もらえるかも!」という全く自分中心の感慨だけであった。でもよく考えれば、娘はそういう仕事ができる性格ではないので、ただただ真っ赤になって泣きそうになっていた。なんといっても喋りたくても耳元で怒鳴らないと会話出来ないぐらいロックがかかっているので、そそくさと1枚選びお会計してもらい、逃げるようにして外に出た。

アバクロのショックから立ち直ろうと、木村屋のパーラーに入り、あんみつを食べる。抹茶あんみつは日本に永住したくなるおいしさだった。

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おなかが落ち着いて少したつと、夢のパーカーを「みなさんのありがたい寄付によって」手に入れた事や「素敵ですね!」と「素敵本家・アバクロの人」に言ってもらった事が娘の心にも充満して来たようで、るんるんx3状態になってきた。それを見届けた私は、「じゃあ次は私の行きたいとこ行くよお。」と、鳩居堂や山野楽器、そのた、ブティックを見て回った。一人るんるんわくわくの人がいるために、一行、幸せな気分になって何を見ても楽しかった。最後に下の弟が仕事を終えて合流、娘にスエードのバッグを買ってくれた。私は母とおそろいでそれぞれ「バッグ・イン・バッグ」を同じ店で買った。

今度は下の弟S君の運転でまた大騒ぎしながら帰った。

疲れて、ぽっくりという感じで、早寝してしまった。


7月14日(木)
猛暑と言って過言は無い。

昼から予約していたヘアー・カットに行く。
教会のお友達ということで、わたしは初対面だったけれど、リラックスできた。
それに木目のサロンが素敵。

Hair+Cafe縁
というサロンです。

ゆうじさんにカットとパーマをしてもらい、娘もカットをしてもらった。
髪がふわふわのさらさらになった。
そのあとおいしい冷たいお茶と柚子入りスコーンを脇のカフェで頂いた。
わたしは午後教会の電子オルガンで練習、娘も礼拝奉仕があるのでヴァイオリンの練習をして一日が過ぎた。


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着付け担当のゆかりさん。
教会の合唱練習で一緒に歌った時楽しかったね。
歌う声がお互いよく似ているのでびっくりしました。
話す声は随分違うのに。
また来年行きたいです。

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早めに就寝。
このところ毎晩冷房を微風にして寝ざるを得ない暑さ。







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by momoyokokubu | 2011-08-31 22:56 | 鍵盤楽器

絵日記13&14日目 | the 13th & 14th day

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7月11日(月)
37度になった。これは暑いです!

8時に起きて、10時から知り合いの作曲家斉木由美さんの家にお邪魔した。
新居がとっっっっても素敵。
わんちゃんも可愛かった。
バッハの作品の話をしたり音楽の仕事の話をして、ドライカレーをいただいた。
丸一日そこでお喋りしていたいぐらい楽しかった。

でも12時になったので、昨日買った日傘をさし、懐かしい中学や高校の間の通学路を通り、富士見台を谷保駅まで歩く。そっか。富士見台か。地元にも富士山が見える(又は見えた)場所があったんだなあ。つまり富士山にはここが見えるんだなあ。私の小さい頃から、見えていたんだな。と昨日から富士山ファンになった自分は、今まで思わなかったことを思うのであった。

登戸、相模大野、南林間、と、全く鉄道に関する勘が欠落している、先天的「鉄道ボケ」である自分には高度な乗り換えを慎重にクリアし、なんとか時間通りに待ち合わせできて、翠ヶ丘教会到着。

おお。長い間会っていなかったオルガニストの関本(もこちゃん!)さんの写真入りの、新しいオルガンのちらしを頂く。美しい現代建築の教会には、幼稚園の庭の方からもさんさんと陽が入り、オルガンがきらきら輝いていた。

予約制の午後を2時間取って、ふたりの方にレッスンする。
演奏するひとりひとりが全く違うものを提供してくれるレッスンは思いがけない方向に課題を見つけてゆく。

自分がバッハのトリオ・ソナタを録音したい、と思った時に、最初に考えたことは

「もう既に素晴らしい録音がたくさん世の中にはある。『またトリオ・ソナタか!それもxxの演奏という決定版が既にあるのに』とひとに思われることをしても、意味ないんじゃないか。」

その考えは基本的には今でも持っているけれど、でも自分が弾く時は自分にとっては初めての体験であり、ひとがやっているかどうかとはまた別の問題ではないか。という結論に至ったのだと思う。「意味」はなくても良い。じぶんが弾く必要がある、と自分が感じるなら。

レッスンをしていると、ひとりひとりが曲の中に生きて、呼吸して、「住んでいる」ということに驚く。私が想像もつかないような理由があって、または、無意識に、各人その曲とともに人生の一部を生きているのだ。

夕方国立に舞い戻り、教会で子供奏楽奉仕の練習に立ち会う。
チェロとヴァイオリンで、1時間みっちり練習。
朝会った作曲家Yさんが、急遽「やろう!」と言い出した私たちの声をとりまとめ、用意して下さったプログラムは、来週の聖日礼拝の始まる前に演奏することになっています。
若い子たちも音楽にひたむきになっているのが音を通して伝わってくる。
会衆の前で演奏したとき、それがもっと多くの人に伝わることが、貴重だと思う。
「もっと上手く弾ける人にやってもらえばいいのに、」ということではなくて。

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チェロのH君はピアノのコンクールがあるというので、「ダンス」の説明をしているところ。
作曲家の由美さんがH君の先生なので、3人で一生懸命フランス古典のダンスについて思いを馳せる。そんなひとときはいつまでも心に残る幸せな時間。




7月12日(火)
一日中家の中のクーラーの中に居た。
昨夜から、寝る前にお部屋を涼しくしてからでないと眠れないぐらい暑い。

週末に迫った2回の演奏会の、いろいろな段取りについて、チケットの売り上げ状況のことについて、最終プログラム案の提出、など、大事な雑用(?)、演奏会のなかでも一番煩雑な部分を一日考えて過ごした。

10時半起床、11時半就寝。


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by momoyokokubu | 2011-08-31 21:20 | 鍵盤楽器

絵日記11&12日目 | the 11th & 12th day

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7月9日(土)
快晴
9時半起床
2時間ぐらいかかって「収支」ノートをつけ、レシートを整理。
残り10日間の滞在予算を計算し直す。
昼、たこ焼きを食べた。
近所の店を散策した。
晩ご飯はベルギー風Hachis Parmentier。
猫のうち一匹が、そっと寄って行ったら、逃げずに触らせてくれた。
10日目で初めて。
もうひとりのねこはまだ逃げます。
ベルギーに電話。
0時就寝。
夜中なのに、本当にずっと暑い。。。

7月10日(日)
快晴
朝4時に暑くて起きた!
弱く冷房を入れて再び寝た。

8時に起床、9時出発。
10時半、河口湖着!
きょうは富士山家族旅行の日!!
(遠足だから早く目が覚めたのではないと思う…)

富士山先生が顔を見せてくれるかどうかはお天気次第なので、
それはチャンスがあれば、ということで、ほかに

ーラベンダーの咲いている公園を見たい。
ーロープウェイに乗りたい。
ーレストランに行って最後は締める(予約)。

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の3点のみを決定して、車で出かけましたが、富士山は高速の入り口からすでにちら、と姿を見せてくれた。それだけで盛り上がって、車の中で騒ぎながら、現地に到着すれば、信号機に富士山の形が付いているのに娘が気づき、富士山気分満点!

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八木崎公園に到着するころには、目がくらむほどの日照り。日傘を購入。ラベンダーの中を散策するも、強い香りに包まれて、入道雲を眺めていたらくらくらしてきた。

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天上山公園のロープウェイ乗り場に移動し、切符売り場で

「かちかち山と天上山は違う山なのですか?」

と訊いたらおばさんに露骨にいやな顔をされたので

「あ、行ってみればわかるんでしょうねえ〜」

と勘づいてそこから逃げたら、ロープウェイ乗り場の登った所に充分説明が書いてありました。
太宰治が、ここ、天上山を舞台に、昔話「かちかち山」を題材にした小説を書いたのだということでした。

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記念写真を撮った時に、富士山の一部を持って帰ろうとしているみたいな、富士山が少しだけ自分のものになったみたいな、富士山がすごく好きになってしまったような気分でした。

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下に降りてざるそばなどをみんなで食べた。そこにはうちわがたくさん置いてあった。
前だったらこんな暑い日には冷房がきつかっただろうと思う。
うちわをみんなで使いながらおそばを待っていると、本当に早く食べたい、おいしそう〜、という気分が盛り上がるのであった。(一体どういう関係があるんだ。でも無関係とは言えない)

昼食後はガラス工房に行き「びいどろ」のビーズのように穴の開いているものを買った。
どれがいいかな〜と探しているときあまりに色が綺麗で放心状態になりそうだった。
(という様子だったと家族に指摘された。)

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船津体内鍾乳洞という聞いた事も無かった呼称の場所に行き、中に入った。
土の上と土の中の様子の違いに驚く。こんなに「原始のまま」なんだ、と。
ひんやりとして「死の世界」のように静かだった。地面の中なのに天国のようでもあった。

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それから月江寺界隈を散策していたら陽が落ちてきた。
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早めの夕食を予約していたレストラン「ルッコラ」に行き、様々なおいしいものを食べた。
コックさんがひとりで全部作っていたのがすごい。

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この前菜の写真を見たら、ドレッシングの香りが一瞬した(気がした)。びっくり。

8時半に静岡を後にし、10時半に帰宅したあと、余り楽しかったので絵はがきを7枚書いた。
1時間ぐらいかかりました。

運転してくれたK君、帰りはきつかったね!どうもありがとう!

富士山さん(?)も最後まで姿を見せてくれてありがとう。

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by momoyokokubu | 2011-08-31 19:59 | 鍵盤楽器

ブリュッセル大聖堂コンサートのお知らせ | Concert at the Brussels Cathedral

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(ベルギー在住の方へのメッセージ)
既に本日になってしまいましたが、

8月23日(火)午後8時から
ブラッセルズ大聖堂でオルガンリサイタルのお知らせです。
入場料は12ユーロまたは8ユーロ(21歳以下、65歳以上、失業中の方)です。

「バッハとハ短調」CDと同じプログラム(70分ほどになります)で長いですが、オルガン台がとても高くてお客さんからは何も見えないので、下にビデオで演奏台を映しながら行います。
観ながら訊きたい方は、オルガンに向かって左側の、画面の設置してある方にお座り下さい。

「バッハとハ短調」CDのヨーロッパ・リリースも同時に行います。
演奏会後、会堂奥に飲み物を用意していますので、飲み物を頂きながら、ゆっくりお話しする機会が持てたら幸いです。

CDを録音した教会のオルガンより、更に大きなオルガンを擁するブラッセルズ大聖堂ですが(グレンジング製、2000年、63ストップ、4段鍵盤)、演奏する曲のレジストレーションと使用しているオルガンの部分(リュックポジティフ、など)を当日配布のプログラムに掲載してありますので、「もっと詳しく知りたいな」と思う方はどうぞご参照ください。

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上のちらしの印刷用のサイズはこのPDFファイルをクリックして下さい。ブラッセルズ大聖堂のこの夏全てのオルガンコンサートの情報が書いてあります。

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It's already TODAY, the Tuesday 23th August, at 8:00 p.m., the organ concert in the Brussels Cathedral.

I will play the same program as the CD, "Bach in c-moll", means 70 minutes of music.
It is long, but we will have a screen projection of the organ console which is far away from the audience.
If you are interested in watching how it "plays", you are invited to take place on the left hand side of the organ.

Also the CD "Bach in c-moll" will be released for the first time in Europe.

The Cathedral has even bigger organ (the Grenzing, 63stops and four keyboards) than the instrument used in the CD. I have put the indications of the registration details of the Grenzing organ in the program note of the day. If you wish to know more about the use of stops, please refer to it and watch the keyboard changes on screen.

After the concert, you are invited to come and have a drink behind the choir as well!

To print the Cathedral brochure, click this PDF file . It sites all the organ concerts of the Cathedral this summer.

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by momoyokokubu | 2011-08-23 07:54 | 鍵盤楽器