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おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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4/8ベガホールコンサート

宝塚ベガホールでの演奏会が10日後に迫りました。今年の春の演奏会は、フェイスブックで再会した同窓生の方たちとも会えるかも〜という気持ちがあることや、そのために「あーだこーだ」説明したくてうずうずしていることのほか、主催者の方と緊密に連絡を取りつつ準備する機会が多かったことも、ブログに書きたい!と思う「材料」が多くなった理由だと思います。

この宝塚ベガホールの演奏会は、フェイスブックを通じて、高校時代の先輩、A先輩と昨年再会したことが発端になっています。

昨年の7月にA先輩と25年振りかに再会したとき、オルガンというものを聴いたことのない方達にも、オルガンを聴いていただきたい、という私の思いと、老人ホームや、学校などにポジティフオルガンを移動して、「お届けコンサート」など福祉、教育の方面でプロジェクトをやってみたい、という先輩の思いが重なり合って、新大阪駅で天そばをごちそうになりながら短い時間でしたが「ブレインストーミング」したのです。

この、「お届けコンサート」は、「オルガンの輪」を広げよう!というブルーベルの森のYさんのアイディアとも重なる部分があり、A先輩の現在の地元、関西で行うにしても私とブルーベルの森の地元、関東にしても、それを可能にするためには

・協力してくださる人に出会うこと
・または出会った人に協力してもらえるように働きかけること
・全く無名よりは少し知名度があれば協力者にも安心していただけるであろうこと

の3つが宿題だなあと思っていました。
この3つは、オルガンを練習して、鍛錬するだけではついて来ない部分です。

かといってこの宿題だけは自発的に行動を起こしにくい(どこへ行って何をすればいいのか皆目見当がつかない)。

何をしたらいいかはわからないなりに、一応自分の気持ちを「吐露」する場があれば、意義を同じくする方達の静かなる共感をまず得ることができるかと思い、この「おるがにすとクロニクル」を書いていることも意義があるだろうな、と感じるようになりました。それまではただ、「日記」だったのですが、昨年ごろから、見えない相手への語りになりつつあるというか…(結局はおんなじことか?)

そんなこんなで、これも石の上にも3年、と長い目で見ていたところ、天そば「ブレインストーミング」の6ヶ月後にA先輩の周辺から協力者になってくださる方が現れ、「お届けコンサート」の前に事実上「関西デビュー公演」になるような演奏会が実現することになったのです。

更に今回はWAFNIFのご協力も得ることが出来ました。音楽家として、また教師として、「子供たちの教育」はまさしく優先順位。こうした機関のはたらきについて、身近に知る機会でもありました。

ベガホールの演目ですが、武蔵野での演奏会ともまた少し違うプログラムで、大勢の方たちと新しい出会いを楽しめるような「ニ短調からニ長調へ!」(これは私とグザヴィエの間での技術的なお題なのですが)という内容を、「オルガンの花吹雪の中で」という副題で、用意しました。お食事のメニューみたいですが、確かに準備する自分たちの気持ちは、毎回結婚式の披露宴を準備しているようなものがあります016.gif

最初と最後に、連弾があり、この春ほかの演奏会では連弾はないので、宝塚だけのお楽しみです。どちらもオルガン用アレンジは二人でやりました(主にグザヴィエ)。

昔、ベルギー大使館で、チェンバロとポジティフオルガンのデュオをグザヴィエとふたりで弾いたのですが、父に

「あれ、どうやって同時に弾き始めるの、二人の間、5メートルぐらい離れていたのに」

と訊かれたことを思い出します。オルガン連弾では、一人用に設計されたベンチにふたりで座って弾くので、ひじがぶつかりあうぐらいの小さな空間で演奏します。だから一緒に弾き始めるのは5メートル離れてるいるより簡単か、というと、違うのです021.gif

同時に同じタッチで音を入れたい、「曲の頭」は何度も何度も練習します。チェンバロとオルガンの合奏の場合、音の種類が違うのでより合わせやすいし、位置的にお互いの顔というか体全体が視界に入っている状態なので、弾きながらでも常時相手の雰囲気をチェック出来ます。特に目を見ると、ぱっと一緒に入れる。

反対に、となりにぴったり座っていると、たしかに呼吸は感じられるのですが顔を横に向けない限り相手は視界に入って来ない(手しか見えない)。オルガンではフレーズの入りで手をぴょこ、と動かさないように弾く方がうまく弾けるため(叩く動きと少し違う)息を吸う動きだけで入る練習をします。

「お互いを見つめ合うのが恋愛で、ふたりが同じ方向を向くのが夫婦の愛」

というような言い方をどこかで聞いたことがありますが、まじめな話、オルガン連弾は夫婦である私たちの人生にとっても、一番難しいもののひとつかもしれません。でもそれが仕事だからなあ…。これが出来なかったらやはりあかん、ということで、練習頑張っております。


と、いうわけで、当日のプログラム、とても考えて、練って用意しましたので、普段は前もって公開しないことも多いのですが特別に公開します。行こうかどうしようかな〜と迷っていらっしゃる方に、興味を持っていただけたら幸いです!関西の方はぜひぜひ聴きに来て下さい!予約、お問い合わせはサロン ド サーシャンまで(sachant@quartz.ocn.ne.jp)。

わたしのソロでは、この記事で紹介したトリオソナタ第3番の1楽章も弾きます!!

4月8日(月)
開演19時(入場18時半から)

宝塚ベガホール
詳細はこちらからどうぞ



プログラム

オルガン連弾/国分桃代、グザヴィエ・ドゥプレ
1)ジャン=フィリップ・ラモー Jean-Philippe RAMEAU(1683-1764)
*序曲(オペラ「カストールとポルックス」より)
*夢(オペラ「ダルダヌス」より)
*シャコンヌ(オペラ「カストールとポルックス」より)

オルガン/国分桃代
2)ニコラ・ド・グリニー Nicolas de GRIGNY(1672-1703)
*5声部のオン・タイユ
*グラン・ジューのダイアログ
(グレゴリオ聖歌「来れ創造主」より)
3)ヨハン=ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian BACH (1685-1750)
*アンダンテ
(オルガントリオソナタ第3番ニ短調BWV527より第1楽章)
4)ヨハン=ゼバスチャン・バッハ
*小フーガト短調BWV578
5)ヨハン=ゼバスチャン・バッハ
*トッカータとフーガニ短調BWV565

オルガン/グザヴィエ・ドゥプレ
6)ディートリッヒ・ブクステフーデ Dietrich Buxtehude (1637-1707)
*前奏曲ニ長調BuxWV139
7)ヤン=ペーテルソン・スウェーリンク Jan Pieterzoon Sweelinck (1562-1621)
*「涙のラクリメ」による変奏曲
8)即興 Improvisation
*「早春賦」のテーマにのせて
9)ヨハン=ゼバスチャン・バッハ
*幻想曲ト長調BWV572

オルガン連弾/国分桃代、グザヴィエ・ドゥプレ
10)ヨハン=ゼバスチャン・バッハ
*アレグロ
 (ブランデンブルグ・コンチェルト第3番二長調BWV1050より第1楽章)
~マックス・レーガーによるピアノ連弾用編曲ヴァージョン~




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by momoyokokubu | 2013-03-30 18:29 | Concerts