おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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あけぼのの星



土曜日。
ブリュッセルを車で朝8時に出発し、昼前にパリに到着。
最初にレ・アルのパーキングに車を2時間停めて、ショッピングからスタート(演奏会に来ておいて我ながらいい度胸してるね!でもほかの買い物時間は取れなかったのだ)。
週末なので15才になったばかりの娘も一緒、最初に行く所は化粧品の「セフォラ」(リボリ通り)!!
「伸びるけどウォータープルーフのマスカラ欲しい、泣くからねあたしゃ…」
「洗顔用ジェル大瓶!!」
「香水詰め替え用ボトル、ラインストーンついてる〜」
と(日本語で)騒ぎながら(それぞれ誰のコメントかはご想像にお任せします)パリ到着1時間を経ずして、「お買い上げ、チーン、xxユーロ成り!」

そのあとは日本の本屋さん、ジュンク堂に直行。村上春樹が小沢征爾をインタビューした単行本、平積みの最後の一冊を店に入るなり走って行ってゲット(というか…この一冊は私を待っていてくれたのだ)。あとは漫画、「学園アリス」24巻。

(仏語では23巻までしか出ていない。ちなみに、この漫画の日本語の文章は娘には難しい。ところが、私が読んでも意味の分からない所を娘は理解できる。「丁寧語調の説明的文章」を私が簡単なことばにして、ふたりで朗読しあいながら解読するという、うちでは不思議な「教材」というか「娯楽」になっとります。しかしそれにしても登場人物の顔が似ててややこしい。批判じゃないです、みんな可愛いし…しかしそれにしても…顔のアップなんか誰が誰やら…ごにょごにょ)

ジュンク堂のあとは「とら屋」さんで季節なので桜餅、という計画だったのだけれどなぜかどこにお店があったかわからなくなって断念。和菓子を一年に一回ぐらいしか食べない人生になってみると、これはかなり悔やまれます。

車をパーキングから出してバスチーユ界隈の教会へ。近くまで来たとき、目の前で駐車していた車のテールランプが点いたので

「ラッキー!」

まだチェックイン出来ない時間なので、トランクには荷物を入れたまま駐車。セキュリティを考えて外からトランクの開閉をせずに、後部座席を倒して譜面などリハーサルに必要なものを出す。

教会には三々五々楽器を持った人が集まり、リハーサルを2時半に開始。
わきあいあい。
4時半に終わった時に
「もしかしてさあ。ママたちって知り合いじゃないの?」
と娘が訊く。
「あ、そりゃそうだよ!ここにいる人ではオルガニストのやすこさん以外、今日まで誰も知らなかったよ。」
するとおどろいて
「それでこうやって一緒にちゃんと弾けるんだ?!」
おおお。そんなことがわかるようになったか。15才よ。

「でもね。見た?さっきリハでアリアやった男の子ね。上手い子なんだろうけどあきらかにバロックの室内楽慣れてないよね。一回やってくびになっちゃったよ。」
(すいません表現…)
「なにそれ?どうするの?」
「慣れてる人が代役でこれから練習するみたいだよ。」

残念だけれど若い人にはまた次の機会があるし、きょうの明日で本番だから。
伴奏していてみんな冷や汗が出たので、代役になったのは仕方が無かったです。

そのときオルガンのやすこさんの娘さんがお母様に会いに来ていて、ちょこっとご挨拶する。きいてみると、これからモデルのショーに行くらしい。うちの娘は、さっきキオスクでしっかりヴォーグ3月号を買い込んで、わたしたちのリハの間中、現在進行中の「パリ、ファッション・ウィーク」を「どこでやってるのか」必死に探していたのだ。モデルエージェンシー関係でいらっしゃるという彼女を感激のまなこで見つめる娘。「今からだとチケットは入手困難だと思う、ごめんね」と言ってくれた優しい彼女。しかし、美しい彼女を見ただけで娘はかなり嬉しかったと思います。

そのあとすぐ近くの「一日アパート」へ。ここにはちいさなキッチンとちいさなシャワーが付いていて(トイレは別のところ)日本式に数えると7階(リフトなし)。階段を113段上り(ブリュッセルのカテドラルのオルガン台より多い)、ドアを開けたらほぼそのドアの幅しか床の幅がなかった。娘が驚愕してくれたのでなんか嬉しかった(「パリらしいアパートだよ!」自慢してもしょうがないか)。

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近所でお惣菜を調達し、キッチンで準備して、それぞれ新しい本を読みながら夕食。
(楽しい。だらだら。)
8時からわたしだけオルガンのソロの練習があるので徒歩で教会へ出かける。
たくさん中華のデリがあり、カフェも多いので、歩道は若い人であふれんばかりでした。
10時に戻ったらちゃんとソファがベッドにしてあって、すぐ寝られる様になっていた。とても嬉しかったけれど、こうなると部屋=ベッドという状態で、まさしく足の踏み場はなくなるのだ、とわかりました。すんごい部屋だね…

次の日の朝も、「ベッドで朝ご飯」。それ以外の選択肢が無い、という。
それから二人でいそいで交代でシャワーを浴び、身支度をし、ベッドを片付け、部屋をきれいにして、11時にチェックアウト。鍵を近くに返しに行き、車で移動しようとしたら完全なる渋滞に巻き込まれる。それもそこら中に紅白のひもが張ってあり、道が通行止めになっているのだ。お祭り?でもなんの?

結局、ハーフマラソンらしい、ということがわかったけれど、渋滞の中で1時間も行きたい所に到達出来ないままいったりきたりしてわかったので、「高くついた」。もっと情報を集めておくべきだった。再び車を止められるスペースを見つけるまでかなり右往左往したけれど教会の近くに停めて、徒歩で散策したら、4番区(と訳して良いのでしょうか…4e arrondissement)小さな素敵な店がたくさん開いていて(日曜日なのに)、楽しい散歩でした。帰りがけに中華のテイクアウェイをしてリハーサルの前に食べる。

3時から合わせ、通し練習。そのあと、チェンバロの調律とオルガンの調律をフレディさんにしてもらう(そのうえに一時間の演奏会の間中、オルガンのふいご作動を、もうひとりのオルガニスト、フレッド君とふたりでやってくれたのです!)。

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人が集まりつつある、演奏会前。
演奏会は5時半から。

演奏会直前に、フレッド君が来て
「オルガンのモーター、消して下さいね〜。」
あは!そうか!当然の事ながら、変な感じ!!
ぱち(消す音)。ひゅうううううん(空気が抜ける音)。しーん(静かだわ〜)。

そして最初に
ブクステフーデの「うつくしきかな曙の星よ」をやすこ・ブヴァールさんの素敵な演奏で。
次はバッハの同名のカンタータ、BWV1。
最後にわたしが、バッハのトリオソナタ第2番。

終了後、割れる様な拍手に、ああ、この演奏会シリーズ、皆に愛されているんだなあ、としみじみ感謝しました。2000年の3月から、ちょうど12周年の日でもあったようです。しかしこの日は福島の原発事故のためのチャリティーで、皆さん募金をどうも有り難うございました!!弾いた者たちも、とても楽しい雰囲気の中で、素晴らしく集中した聴き手のお陰で良い演奏ができました!

それに人力のふいごは全く電力に劣らないばかりか、音の「満タン感」が高かったように思います。何か違う…不思議な感じです。より音楽的である、と言えます。ふいごを作動している人たちがうまく音楽に合わせながら(?)やってくれたことも大きいと思います。

そして、最後、さっきの渋滞のせいで見る事の出来なかった「シャンゼリゼ」を、「Paris by Night」ヴァージョンで見たい、という娘の希望により、荷物を全部積み込んだ車で、去り際にドライブ。雨の中イルミネーションが素晴らしかった。エッフェル塔もお星様のようなライトがいくつも点滅していました。

最後まできらきらと「あけぼのの星」の輝きにふさわしい、素敵な週末を過ごすことができました。パリって素敵だな(今さら)。バッハって素晴らしいな(今さら〜〜〜。)。

道のグラフィティも、パリですね。053.gif
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by momoyokokubu | 2012-03-07 00:33 | 鍵盤楽器