おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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ストラスブルグ大聖堂 | Strasbourg Cathedral

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フラッシュバック・6月24日。

ストラスブルグで夏至の夜に行われた「光の夜」祭り。

「光」に関係あるイベントを募り、町の中にある無数の教会をそれぞれ選んで、市民が自主的に開催する形を取っているらしい。

「バッハとハ短調」のCDの写真を撮ってくれたMさんが、

「『光』をテーマにした写真がたくさんたまったから、スライドショーをしたいんだけど、その間、オルガンで即興しない?」

と言うので、

「一度登ってみたかったストラスブルグの大聖堂なら、行く!」

と乗ったものが、数ヶ月に渡るメール交換・スカイプ会議の末に実現したのだ。

行くのに4時間半かかることを除けば、カトリックとプロテスタントが面白いぐらい同量に共存しているこの街は、空気も自由でいつでも遊びに行きたい所。この夜も100に近い(を超える?)無料イベントがそれこそ町中で行われて、そぞろ歩く人々はネオンを発するプラスチックの輪っかを手に、好きなだけ好きなものを観ては次に移っていたようです。

わたしたちの「出し物」は、『スライド即興』なので、聖堂内の8メートルx4メートルのスクリーンに投射されているスライドショーより3秒早くラップトップに写るようにした写真の一枚一枚が楽譜の代わり。

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一応物語があって、夫と交代で章ごとに即興して行く。

ストップを変えたり首を延ばして下のスクリーンをたまにチェックしたり弾いてない人がコンピューターを操作したり…

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オルガン台がコックピットのようでした。
弾いている間もちょっと空を飛んでるような感じでした。
普段は(怖いから)下なんかのぞかないものね。

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怖いと言えば、作品を「読んで弾く」事ばかり小さい頃からやっていると、即興は怖くて、人前でしたくないものになっていたけれど、教会で必要に迫られてやったり、ほかのひとの即興を随分聴いて行くと、結局「その人」がにじみ出た即興が心に迫るんだな、とわかるようになる。

シンプルな即興でも、複雑でカッコいいけど堂々巡りなものより、音楽がそれなりにちゃんと前に進む、その人の考えや思いが伝わってくる、流れのある物が、時間を生き生きとしたものに変えてくれる…と思う。

自分以上の大きさに見せられないのがわたしにとっての即興かな。
だから美しく見せたり上手に見せたりしなくていいから…
逆に言えば「こんなものを?」と思っても大丈夫だから…
と、まあ、思いながら、

「さ。怖くないから。弾きますよ。」

と、最初の音を踏み出すのでした。

夜中に終わったら、広場では小さいろうそくを弧状に並べて、ルネサンス音楽を演っていた。
ダンサーが何人かいて、みんなに振り付けていた。
真っ暗なのでみんなわけのわからないダンスになっているようだったけどすごく楽しそうだった。

ダンスの足一歩踏み出すのも、即興が怖かったらできないな〜、そう思ったら
毎日の生活って結局自分たちに全て委ねられていて、何もかもが即興なのかもしれないなと暗闇の中で感じた、旅先での夏至の夜。

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by momoyokokubu | 2011-10-11 19:19 | 鍵盤楽器