おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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ネオ・バロック | Neo Baroque

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昨日のコンサートではジェアン・アラン(1911年生まれで、今年生誕100年。)の作品を弾いたのですが、数日前にフェイスブックで

「Nazard やTierce、5度とか3度のミューテーションストップをオルガンに『ダウンロード』出来たらいいな!」

と(冗談で)書き込んだら

「君んちのオルガンならメンデルスゾーンかラインベルガーを弾くと良いよ。アランならxxの教会で弾けば。」

というしごく当たり前のコメントが寄せられて、あまりの正論なのですがもちろん

「頻繁に演奏されていないからこそ、みんなにアランを聴いてもらおう」

という意図があったのでした。

でも、そのコメントのお陰で、

「そうだな〜…どうすればこのオルガンでアランが生きるか。20世紀初頭、ロマン派が終わる頃、昔のスタイルのオルガンに憧れた人々がいて、その結果バロック復興が起こり、ミューテーションストップなどが再び評価され、しかし音楽語法がもう変わっているので、音の使い方は昔通りではなく『ネオ・バロック』に聴こえる、ということを表現してみれば。」

と考えが巡り、プログラムをサンドイッチ方式で組み立てました。

つまり、ネオ・バロックではないオルガンで、ネオ・バロックな曲の雰囲気を、限られた組み合わせのストップで強調するとしたら、アランが題名にしたところの「ほんまもん」のバロックの様式をいちいち弾いてからアランを弾けば、その違いが一目瞭然にならないか、と。

最初にスウェーリンクの「いぎりすの宝物」の3つのヴァリエーションを弾いて、次にアランの「クレモン・ジャヌカン」の3つのヴァリエーション。
バッハのコラールを弾いて次にアランのあり得ないハーモニー(?!)の「コラール」。
ダングルベールの「シャコンヌ」を弾いて次にアランの「シャコンヌ・空中庭園」。
最後にブルーナの「聖母の連祷」を弾いてからアランの「連祷(リタニー)」。

やってみてわかったこと。
あああ弾くのは難しかった。
いきなり世界が変わるから、タッチとか手つきとか体の使い方がころころ入れ替わり、また、耳にとってもなかなか不協和音がキツく聴こえるんです。

しかし

お客さんはすごく喜んだ。

なぜならば「聴き方」がわかった

ということのようだ。

もともと「ちっ、アランかあ、ちょっと取っ付きにくい〜」
と思っていたけど来てくれた人が、「なるほどね〜」と言いながら帰りました。

嫌いかもしれないのに聴きに来てくれる人たち、大好きです。
心が広い。
でも嫌なら途中で帰れる自由なコンサートなのでこっちも気が楽です。
そういう人たちに最後までつきあってもらう。
受付にいるアンはそういうのを良く見ていて、「ただのコンサートと違って面白いという気分があった」と言いました。

それに、曲間の沈黙が。
すごい沈黙だった。

なんか、全身を耳にして次の曲を待っている感じ。
とにかく静けさが凝縮していてびりびり来るようで思いがけず「怖い」ぐらいでした。

身動きの音も、咳も聞こえない。

そうしたら、曲の間に、夫が引っ張ったストップが

きゅい〜〜〜〜

…………

うるさ!!
というよりは
「テンション落とさんでくれ!」

(すごい非難の目で見てごめん、草部絵。)





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I have played a "Jehan Alain (born in 1911, this year's the centenary!)" program in yesterday's Lundi d'Orgue concert.

Few days before the concert, I put on my facebook

"Wish I can download Nazard and Tierce stops on my organ!"

for a laugh.

But someone responded in recommending to play romantic stuffs instead or go to another church to play Jehan Alain.

What he said was absolutely correct, but I wished to let people listen Alain as it's not often heard here.

This correspondance gave me a good occasion to think how to make the music of Alain sound on our organ which is not "Neo Baroque" like Alain's organ.

In general, organ's Neo Baroqueness is a mixture of the Baroque sound rediscobered and the new musical writing of the first 30 years of the 20th century.

I made a sandwiched program between the real Baroque things and Alain pieces, folloing the titles of Alain, as in my note on the photo.

The result was:

Hard to play! To alternate two styles, I had to change the touch, the physical employemet of hands. And my ears to hear the dissonances of Alain in contrast to the 17th century harmony!

But they loved it.
Some of them might have come to the concert thinking "Alain, not my favorite, but try..."
I adomire them.
They can always leave, if they need, as it's an open door concert.
But they can stay!

Sitting at the welcome table at the entrance, our collaborator Anne told me that the program pleased the listeners.
One of them told me
"I found the way to hear Alain."

In addition, the silence between the pieces was intense.
No cough, no mouvement...they were waiting for the next.


Then

my husband pulled one stop to prepare the new registration and it went


… squeak …


I am sorry darling, to have given you a darty look.



















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by momoyokokubu | 2011-02-22 19:47 | 鍵盤楽器