おるがにすと・クロニクル Chronicle of an Organist

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録音一日目 | The first day of the recording

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2010年11月11日、第一次世界大戦終戦記念日が木曜日だったので、金曜日を休日にして連休にする学校がほとんどでした。それを利用して、中2の娘も連れて二泊三日のストラスブルグ録音旅行をしました。

木曜日の朝は6時起き。
ホームベイカリーで焼いてあったパンでサンドイッチを4人分作り、紅茶も魔法瓶に入れて、楽譜、着替えなどを準備完了。
昨日の夕方借りて来たレンタカーに荷物を積み込む。
今回は友人宅に宿泊させてもらうため、掛け布団や枕、たためるマットレス一枚も用意してあったのですが、

車がもうぎゅうぎゅうづめに。

それでも7時半、ネコにごはんをあげてから、予定通りに録音技師のアナの家へ出発。

彼女の録音機器のもろもろを車に入れるためにまずマットレスが運び出される(なんとかなるさ)。
夫の洋服類が半分に減らされる(すみません)。
おふとんの類いは後部座席で膝にかけることに(ほかほかこたつのようだ)。
ほかの鞄などもどんどん車内に移される。

さて8時半なんとかべルギーを出発!ということになったのだけれど車の中はすごい状態でした。せ、狭い!ものがあちこちに詰めてある。これからサーカスのどさ回りに行くみたい!と大騒ぎしながら、国境を超えてリュクセンブルグ、フランスと、道中は渋滞も無く、お弁当もきれいさっぱり食べて、予定通り午後1時にストラスブルグに到着。

ストラスブルグの中心地は車の通行が規制されているので、教会に録音機材を降ろすために、通常歩行者用になっている道の入り口で車を降り、教会の人の指示通り、道ばたの四角い機械の赤いボタンを押す。すると「ボンジュール!」と係員が出る。電話みたいになっているんだ、と思って、思い切り口を近づけて用件を言うと、

「あの、これヴィデオになってますんで顔を離してもらえますか?車のナンバープレートを記録したら通行止め解除します」

いやだ恥ずかし~と顔を赤くしながらも無事に教会に到着(ベルギーでは見た事無いシステムだよ…)。

夫、娘とアナの3人で機材をすぐに設置し始める。わたしは少しオルガンを触るけれど電話がかかってきたり教会の秘書の人が来たりなかなか弾けない。

午後2時半、アナが「最高音量と最低音量の頁を弾いてみて!レヴェルを調整するから。」最初のバッハのファンタジート短調の出だしなどを弾いていると、ここのオルガニスト、ジェローム・モンデゼール氏が来る。月曜日に無事ベトナム人の赤ちゃんを養子縁組してフランスに帰国したそうだ。もしかしたら手続きに時間がかかって、まだ帰国してないかもという話だったのだけれど、滞りなく運んだようで良かった。

「なんかヒンテルヴェルクのバランスが悪いのよね!(音が小さい、遠い、遅れて聴こえる)」

とみんなで言っているとジェローム氏は「もっとオルガンから距離を取れば、楽器の裏の上方にあるヒンテルヴェルクの音が、天井を滑って伝わって来て良く聴こえるスポットがあるはず。」と教えてくれる。演奏会の時も、バルコニーの遠めの席に座ると、ヒンテルヴェルクの聴こえが丁度いいところがある、ということで。

ふたつのマイクは頑丈なナイロンひもで両側のバルコニーから空中にぶら下げてあったのですが、その結び目をほどき、そろそろと両側から2人で持って、移動し、またテストする。

3時半ごろストラスブルグの友人、マドレーヌが合流。彼女は大学図書館に勤めているけれど写真が趣味なので、CDの表紙写真を撮ってもらうために着替える。

このあたりでもうかなり冷えて来た。しかし衣装はノースリーブ!プロテスタント教会だから寒くないだろうと勝手に思っていた私は愚か者。オルガンのチューニングが狂うし、セントラルヒーティングの配管がきゅ、きゅ、と鳴ったりするということで暖房は入れないことになる。室内は5度くらい。

弾いたり弾かなかったりの格好で写真を撮るが、なんだかんだしているうちに日が沈み、写真が撮りにくくなったので彼女はいったん家に戻り、またバランスとレジストレーションのチェックをしたあと、オルガンの内部に金属棒を持った夫が入って、娘がオルガンに座り音をひとつひとつ出してリード管ストップを調律する。わたしはちょっと事務所でお茶して休憩する。063.gifアナが持って来たお茶はなんと抹茶入り玄米ほうじ茶でした(ロシア人なのに!)。6時になってほかのスタッフは(って家族とアナちゃんだけですが)マドレーヌのうちに食事に行く。


そして


わたしはオルガンのおそばに着いてから正味5時間。


ようやくふたりきりになれた。

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あああみんないつまでも帰って来なくて良いわよ。

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と、弾きまくっているうちに8時半になった。ん?と思ったら右手と左手のトリルが合わないぐらい冷えていた。

娘は友人宅に残り、アナと夫が魔法瓶に入った、マドレーヌお手製のカボチャのポタージュとサンドイッチを持って来てくれる。

体を温めて、9時からついに録音開始。

朝2時半にプログラムの半分を終了、教会の電気を消し(ひとつだけ、どこにスイッチがあるのかわからない電気があって10分ぐらいそこら中探す。よくあるケース。なのに何故前もって調べないのか。021.gif朝の2時半にこれをやるのは辛い。いつかは学ぶべきですなあ)鍵を注意深く閉めて、車を出し、夜景の美しい霧雨のストラスブルグを走り、マドレーヌのアパートに到着し、合鍵で開けるつもりが…

開かない。


というか、鍵が鍵穴に入らない。


折しも、天気予報で聞いた通り、風はますます強くなる中、携帯で鍵穴を照らしながらいろいろやってみるが、開かない。


もうそろそろ3時なんですが…呼び鈴鳴らすしかないですわなあ。と3人でうなずき合ってから


「プー。」

とちょびっとだけ鳴らして、やっと開けてもらって、やっと温かいところに入れました。
一応、予定通りに第一日目が過ぎた、と言って良いのだろうか。と思いながら眠りについたのでした025.gif



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Thursday the 11th of November 2010
Armistice Day

6:00 a.m. We got up and got ready with baggages and our picnic.
7:30 Fed our cats and left home.
8:00 Met the recording engineer, Anna at her home, oops we had not enough space in the car for her materials.
8:30 Left a small matress and half my husband's baggage behind and off we went!

~(in the car) no space to move…too many bags everywhere inside…but the duvet makes our knees warm like the Kotatsu026.gif… it feels like a circus caravan!!!

1:00 p.m. Somehow arrived at Strasbourg. I had to speak to the borne to de-block the interdiction of the pedestrian street to reach the church. When I made the enquiry, the voice in the little machine next to the borne told me to detach my face from the camera for her to see the immatrication of the car (I took the thing for a telephone so I was putting my face against it)041.gif

They started setting the recording materials and I was at the organ, but telephone rang and the people were coming to see us…

Then Anna was ready, I played the loudest and the quiettest pages of the repertory.
She tested.
2:30 Arrival of the organist of the Church, Jérôme Mondésert. He just came back from Vietnam with a little girl as they adopted her! A great news. We discussed about the Hinterwerk : how to make it better balanced? Jérôme proposed to put the microphone further from the organ.
This Hinterwerk is known to be heard well, when the audience sat at quite a distance on the balcony seat or downstaires not near from the organ, helped by the cealing .

The two microphones which were suspended by a single strong cord high in the air, were now installed further, delicately handled by Anna and my husband.

3:30 Our friend Madeleine, the librarian and photographer of the day, arrived. I changed my clothes and the photo session started... in the cold! Because the organ would be out of tune and also their radiaters made little squaks when it was warming, there would be no radiater!!

Ok but my clothes were without sleeves... never mind....

The sun was setting, and Madeleine went home.
I played some more bits for the contrast to test the recording level.

6:00 My husband went inside the organ with the tuning bar and tuned the reed stops with the help of our daughter who played the notes at the organ. I had a tea break. My tea prepared by Anna was the Japanese smoked green tea with rice puffs and Matcha. Although Anna is Russian…great.063.gif

The recording team (Anna, my dear husband and our daughter…) left for supper at Madeleine's.

I am.

At last.

After five hours here.

Alone, with the dear organ.

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A dream, until I could do no more double trilles on both hands because of the chill.

8:30 Arrival of the hot pumpkin soup and some sandwiches prepared by Madeleine!!
9:00 Beginning of the takes.

2:30 a.m. The end of the half the program of the CD. Yes!

After putting away all the lights, we shut and locked the church, then drove the poetic Strasbourg through the mist.

But at the flat of Madeleine, we could not open the front door of the building with my spare key.
Getting moisted and blew by the wind, I was spotligting the keyhole with my portable telephone, but the key would not ENTER the hole.

3:00 …but we must? Ring the bell? We looked at each other and I went "poot," on the door bel.
EXCUSE-US! At last inside and warm in the room, I rapidely fell asleep, thinking : that was the first day, which went relatively well...wasn't it…026.gif















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by momoyokokubu | 2010-11-18 03:42 | 鍵盤楽器